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マンション大規模修繕の周期は何年か
「大規模修繕は12年ごと」という説明をよく見かけますが、実際に全国のマンションが何年周期で実施しているかは、 国土交通省の実態調査で確認できます。結論からいえば最も多いのは13年で、 全体の約7割が12〜15年の範囲に収まっています。そして回数を重ねるほど周期は短くなります。
最も多いのは13年周期
| 平均修繕周期 | 割合 |
|---|---|
| 12年 | 18.8% |
| 13年 | 23.1% |
| 14年 | 15.4% |
| 15年 | 11.1% |
| 11年 | 4.0% |
| 16年 | 6.5% |
築年数・工事回数・実施時期の回答が得られた648件を対象に算出(主要な区分を抜粋)
最頻値は13年で23.1%、次いで12年(18.8%)、14年(15.4%)、15年(11.1%)です。 この4区分を合わせると約7割となり、大規模修繕はおおむね12〜15年の周期で 実施されていることが分かります。
「12年周期」という説明が広まっているのは、かつて建築基準法の特定建築物定期調査で、 タイル外壁等について竣工から10年を超えた場合に全面打診等の調査が求められる規定が意識されてきたことや、 長期修繕計画の作成例で12年が用いられてきたことが背景にあります。 ただし実態としては、13年がもっとも多いという結果になっています。
回数が増えるほど周期は短くなる
| 工事回数 | 平均修繕周期 |
|---|---|
| 1回目 | 15.6年 |
| 2回目 | 14.0年 |
| 3回目以上 | 12.9年 |
1回目までは15.6年と長く、回数を重ねるごとに短くなっていきます。 新築時の材料・施工の性能が高く、初回までは比較的長く持つ一方、 経年とともに劣化の進行が早まり、修繕の間隔を詰めざるを得なくなる、という実態が読み取れます。
これは資金計画に直接影響します。「前回から13年経ったから次も13年後」ではなく、 回数が進むほど早く訪れるという前提で長期修繕計画を見直す必要があります。
築年数からみた実施時期
| 工事回数 | 下位25% | 中央値 | 上位25% | 平均値 |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 14年 | 15年 | 18年 | 18.2年 |
| 2回目 | 26年 | 28年 | 32年 | 29.4年 |
| 3回目以上 | 31.5年 | 40年 | 46年 | 37.3年 |
大規模修繕工事を実施した時点の築年数
築年数でみると、1回目は築15年前後、2回目は築28年前後、3回目以上は築40年前後が中央値です。 分布としては、1回目は築15年以下が51.6%と半数を超え、2回目は築26〜30年、 3回目以上は築41年以上での実施が最も多くなっています。
周期は築年数ではなく劣化状況で決まります
ここまで統計を見てきましたが、実際の工事時期を決めるのは建物の劣化状況であり、 築年数や前回からの経過年数ではありません。同じ築15年でも、次のような条件で劣化の進み方は大きく変わります。
- 立地……海沿いは塩害、幹線道路沿いは排気ガス、豪雪地帯は凍害の影響を受けます
- 方位と日射……南面・西面は紫外線による塗膜の劣化が早く進みます
- 外壁の仕様……タイル張りと塗装仕上げでは、劣化の現れ方も補修方法も異なります
- 前回工事の内容……使用した材料のグレードによって次回までの期間が変わります
したがって、周期の統計は「そろそろ検討を始める時期かどうか」の目安として使い、 実際の判断は建物診断(調査・診断)の結果に基づいて行うのが適切です。
前倒し・先送りの判断材料
劣化が想定より進んでいないのに周期どおり実施すると、必要のない工事に費用を投じることになります。 逆に、資金不足を理由に先送りすると、劣化が進行して補修数量が増え、結果的に総額が膨らむことがあります。 どちらの判断も、診断結果と資金計画の両方を突き合わせて行う必要があります。
工事回数によって金額の分布は大きく変わります。回数を選んで見積の位置を確認できます。
見積の位置を確認するよくある質問
- 築18年でまだ1回目の大規模修繕をしていません。遅すぎますか。
- 1回目の実施時点の築年数は、中央値15年・上位25%が18年です。築18年は遅い側の4分の1に入りますが、平均値は18.2年なので極端に外れているわけではありません。ただし外壁タイルの浮きや防水層の劣化は放置すると補修数量が増えるため、まず建物診断を実施して現状を把握することをおすすめします。
- 10年で実施するよう管理会社から提案されました。早すぎませんか。
- 統計上、11年以下での実施は少数です(11年で4.0%)。早期に実施すべき具体的な劣化事象があるのかを確認してください。診断報告書に、どの部位にどの程度の劣化があり、なぜ今なのかが記載されているかが判断材料になります。緊急性のある部分的な補修と、全面的な大規模修繕は分けて検討できる場合もあります。
- 周期を15年に延ばして積立金の負担を減らせますか。
- 周期を延ばせば1回あたりの間隔は空きますが、劣化が進んだ状態で工事を行うことになるため、下地補修の数量が増えて1回あたりの金額が上がる可能性があります。総額として得になるとは限りません。診断結果を踏まえ、設計コンサルタントや施工会社に、延伸した場合に増える工事項目と概算額を試算してもらうのが確実です。
- 長期修繕計画は何年ごとに見直すべきですか。
- 国土交通省の修繕積立金ガイドラインでは、長期修繕計画は一定期間ごとに見直していくことが必要とされています。新築時の計画期間が30年の場合、修繕周期がそれを超える工事項目は計画に盛り込まれていないため、計画そのものが実態と乖離していくためです。大規模修繕の前後は、計画を見直す自然なタイミングです。
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